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2022年5月6日

MCIスクリーニング検査プラス
MCI(Mild Cognitive Impairment)とは軽度認知障害のことで、認知症予備軍の状態です。日常生活には支障はありませんが、1年で約10%、5年で50%以上の方が認知症に進行するといわれています。一方で、MCIの段階で適切な予防や治療を行えば、認知症の発症を防いだり、遅らせることができるとされています。

「MCIスクリーニング検査プラス」は、アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)の病態進行に関わるタンパク質を「栄養」、「脂質代謝」、「炎症・免疫」、「凝固線溶」の4つのカテゴリーに分類して血中濃度を測定することで、MCIのリスクを評価する検査です。

アルツハイマー病の主な原因の1つといわれているアミロイドβ蛋白は、病態進行に伴い脳内に蓄積し神経毒性を示すとされています。「栄養系タンパク質」「脂質代謝系タンパク質」は、その毒性を防御し、脳内からアミロイドβ蛋白を排除する仕組みに関わっています。アルツハイマー病のもう1つの原因として脳内の慢性炎症が考えられています。加齢とともに血管がダメージを受けると、脳内に侵入した異物を排除しようとする補体タンパク質などの「炎症・免疫系タンパク質」を介した免疫反応により慢性炎症が引き起こされ、血管損傷を防御するために「凝固線溶系タンパク質」が働きます。

近年、糖尿病や高血圧などの生活習慣病が血管にダメージを引き起こすことにより、アルツハイマー病のリスクとなることが知られています。生活習慣の改善がMCI、認知症の予防に有効で、適度な運動、バランスのよい食事、質のよい睡眠、趣味を楽しむ、といったことなどが重要です。

認知症発症者数は70歳代で急激に増加することが分かっており、発症の約20~25年前から脳内の血管損傷や炎症が原因でアミロイドβ蛋白の蓄積が始まるため、自覚症状がなくても40歳代以上の方には「MCIスクリーニング検査プラス」の受検をおすすめします。