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2017年4月24日
骨塩定量検査(骨密度測定)
骨粗鬆症
とは、加齢や長年の生活習慣により骨の量が減少したり、骨の質が悪くなって骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。初期の段階ではほとんど自覚症状はありませんが、進行にともなって腰が曲がったり、背中が湾曲したり、背中や腰の痛みを感じるようになります。また、少しの外力で背骨や大腿骨の骨折をきたし、身体機能の低下から寝たきりになってしまうこともあります。骨粗鬆症は、
検査による早期発見と早期治療が重要な疾患
です。
骨粗鬆症の診断には
骨塩定量検査(骨密度測定)
が欠かせません。骨密度は、20~44歳の若年成人の平均値(YAM)との比較で評価されます。YAM値が80%未満であれば骨粗鬆症の疑いがあります。
骨塩定量検査(骨密度測定)には、2種類のエネルギーを持つX線が骨を通過する時の減衰度を利用する
DXA(DEXA)法(二重エネルギーX線吸収測定法)
、中手骨のX線フィルムやデジタルデータを解析する
RA法
、超音波が骨を通過する時の速度や減衰度を利用する
QUS法
などがあります。これらのうち、DXA(DEXA)法による腰椎や大腿骨近位部(太ももの付け根)の測定は精度や骨折発症率との相関が高く、薬物療法による治療効果を判定できることなどから、最も推奨される検査法とされていますが、測定できる施設が限定されるなどの理由により、スクリーニング検査としてDIP法やMD法などのRA法が発達、普及してきました。
RA法の一種である
DIP法
は、左手を標準物質(アルミスケール)とともに撮影し、第2中手骨の皮質骨の陰影度と標準物質の陰影度を比較して骨密度を算出する方法です。当院ではDIP法による骨塩定量検査(骨密度測定)を行っており、検査後数日で結果が判明します。DIP法にて骨粗鬆症と判定された方には、腰椎や大腿骨近位部の測定による精密検査をお勧めします。
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