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2017年1月1日
インフルエンザとその診断
インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染で、感染者の咳やくしゃみに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことによって感染します。インフルエンザに感染すると、約1~3日の潜伏期間の後に、38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が比較的急速に現れます。
インフルエンザの原因となるインフルエンザウイルスは、A型、B型、C型に大きく分類されます。このうち大きな流行となるのはA型とB型で、C型が大きな流行を起こすことはありません。近年、国内で流行しているインフルエンザウイルスはA(H1N1)亜型、A(H3N2)亜型(香港型)、B型の3種類です。これらの3種類のインフルエンザウイルスは、毎年世界中で流行を繰り返しています。
インフルエンザ流行前の10月下旬~12月中旬にはワクチンの予防接種が推奨されています。インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからない、というものではありませんが、ある程度の発病を阻止する効果があり、たとえかかっても重症化を防いでくれます。インフルエンザワクチンの予防効果が期待できるのは、接種した2週間後から5ヶ月後程度までと考えられています。インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行が予測されるウイルスに合わせて製造されています。このため、インフルエンザの予防に十分な免疫を保つためには、毎年インフルエンザワクチンの接種を受けた方がよいと考えられます。
インフルエンザに感染している疑いがある場合には、鼻の奥を細い綿棒で拭い、そこにウイルスがいるかどうかを調べます。検査の方法には、「簡易キット」による検査と「分析装置」による検査がありますが、「簡易キット」による検査ではインフルエンザを発症して12時間程度経過し、ウイルスの数が増えた後に検査をする必要があります。一方で、「分析装置」による検査では、写真技術の応用によりウイルスの検出感度を向上させたものがあり、
「インフルエンザウイルスの数が少なくても検出できる」「インフルエンザ発症初期でもウイルスを検出しやすい」
といったメリットがあります。
当院では、富士フイルム株式会社の
「富士ドライケム IMMUNO AG1」
を導入しています。インフルエンザの検査の際にウイルスに目印として結合させる金コロイド粒子を、写真現像の銀増幅原理を応用することにより約100倍に増幅し検出感度を向上させており、発症初期のインフルエンザでもウイルスを検出できる可能性があります。ご相談、ご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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