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2016年5月22日
原発性腋窩多汗症に対するボツリヌス療法
多汗症とは日常生活に支障をきたすほどの汗が出る状態で、手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位に症状が出やすいといわれています。発汗は緊張やストレスなどの精神的な刺激(精神性発汗)と気候や運動による温熱刺激(温熱性発汗)によって促進されます。多汗症には明らかな器質的原因が存在しない「原発性多汗症」と他の疾患や使用している薬剤が原因となる「続発性多汗症」に分けられます。
多汗症の中で、ワキの下の汗が多いものを「腋窩多汗症」といいます。ワキの下にはもともと汗腺が多く、精神性発汗と温熱性発汗の両方により多汗が起こりやすくなっています。明らかな原因が存在しない腋窩多汗症(原発性腋窩多汗症)の日本人での頻度は5.8%と推定されています。
原発性腋窩多汗症の治療には、塩化アルミニウムなどの塗り薬、抗コリン薬や漢方薬などの飲み薬、ボツリヌス療法、外科的手術などがあります。ボツリヌス療法は重度の腋窩多汗症の方が対象となり、ボツリヌス菌が作るタンパク質から精製されたお薬をワキの下に直接注射して発汗を抑える治療法です。ボツリヌス療法の効果は通常、治療後2~3日であらわれ、4~9ヶ月にわたって持続しますが根本的な治療ではないため、症状が再びあらわれたときには改めて治療を行います。ワキの汗が気になる方は
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