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2015年11月30日

「MCIスクリーニング検査」と「APOE遺伝子検査」
MCI(Mild Cognitive Impairment)とは軽度認知障害のことで健常者と認知症の中間的な状態です。記憶障害などを認めるものの日常生活には支障がありませんが、放置すると約5年で半数以上の方が認知症へ進行すると言われています。

認知症には、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などがありますが、もっとも多いアルツハイマー型認知症は、アミロイドβ蛋白が脳内に蓄積することが原因の1つと考えられています。アミロイドβ蛋白はアルツハイマー型認知症が発症する約20年前から脳の中にたまり始め、認知機能が少しずつ低下していきます。

「MCIスクリーニング検査」は、アミロイドβ蛋白が脳内に蓄積しないようにしたり、その毒性を弱める働きをするアポリポタンパク質(ApoA1)、補体タンパク質(C3)、トランスサイレチン(TTR)の血液中の量を調べることにより軽度認知障害(MCI)のリスクを調べる検査です。検査は採血のみで、A~Dの4段階でMCIのリスクを判定します。認知症の前段階であるMCIのリスクを知ることでより早い段階での介入をすることが可能となり、認知症の発症時期や症状の進行を遅らせることができます。50歳以上の方、認知症への不安がある方、以前と様子が違うことにご家族が気付かれた場合などにお勧めの検査です。

また、アルツハイマー病の発症に関与する遺伝子のひとつにAPOE遺伝子があります。「APOE遺伝子検査」は、血液検査でAPOE遺伝子の型を調べることにより認知症を発症するリスクを測定する検査です。APOE遺伝子にはε2、ε3、ε4の3つの遺伝子型があり、ε4型を持つ方はアルツハイマー病を発症するリスクが高いことが分かっています。

最近では認知症は生活習慣病のひとつと考えられており、早期からの食事や運動を中心とした生活習慣の改善が重要です。当院では「MCIスクリーニング検査」および「APOE遺伝子検査」を行っておりますので、お気軽にご相談ください。