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2015年7月24日

尿検査とアスコルビン酸(ビタミンC)
アスコルビン酸(ビタミンC)は多くの食品に含まれ、サプリメントや治療薬としても広く用いられています。尿試験紙を用いて尿中のブドウ糖、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩を調べる際には酸化反応によって試験紙が発色することを利用していますが、ビタミンCには強い還元作用があるため、ビタミンCを摂取した後に尿検査を行うとブドウ糖、潜血、ビリルビン、亜硝酸塩が偽陰性(実際には陽性なのに検査では陰性)になることがあります。

ビタミンCを摂取すると2時間後くらいから尿中へのビタミンCの排泄が始まり、3~4時間後にピークになります。サプリメントや治療薬などで多量に続けて摂取している場合には、尿中に高濃度のビタミンCが常に存在していることになり、尿検査の2~3日前からビタミンCの服用を中止する必要があります。

尿を遠心沈殿することによって集められた赤血球や白血球などの細胞を顕微鏡で調べる尿沈渣ではビタミンCの影響を受けることはありません。当院では試験紙法による尿一般定性検査および尿沈渣を院内で実施しており、迅速に正確な診断ができる体制をとっています。