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2021年6月24日

狂犬病ワクチン「ラビピュール」
狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染しているイヌなどの動物に咬まれることなどで感染し、発症した場合には効果的な治療法はなく、ほぼ100%が死亡する予後が極めて不良な感染症です。感染源となる主な動物は、イヌの他、キツネ、コウモリ、オオカミなどですが、ヒトの狂犬病の感染源の99%はイヌによるものと言われています。狂犬病は世界150以上の国と地域で発生しており、海外渡航中は動物に咬まれないように注意が必要で、狂犬病常在地域への渡航前には予防接種(曝露前免疫)も行われています。

わが国では、組織培養不活化狂犬病ワクチン(KMバイオロジクス株式会社)とラビピュール筋注用(グラクソ・スミスクライン株式会社)の2種類の狂犬病ワクチンが発売されていましたが、組織培養不活化狂犬病ワクチンが製造中止となったため、現在はラビピュール筋注用により狂犬病に対する予防接種を行っています。

ラビピュール筋注用は、狂犬病予防のための曝露前免疫には、1.0mlを1回量として、適切な間隔をおいて3回筋肉内に接種することとされており、1回目接種日を0日として、0、7、21日または0、7、28日に接種します。また、狂犬病の発病阻止のための曝露後免疫には、1.0mlを1回量として、適切な間隔をおいて4~6回筋肉内に接種することとされており、接種回数によってスケジュールが変わります。

狂犬病ワクチンは他のワクチンとの同時接種も可能で、渡航までに時間的余裕が十分にない方には、必要なワクチン接種を短期間で済ませるために、同時接種は有用な接種法と考えられます。狂犬病ワクチンの接種をご希望の際はお電話にてご連絡の上、ご来院ください。