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2015年1月11日
ノロウイルスによる感染性胃腸炎
ノロウイルスは毎年秋から冬にかけて流行する感染性胃腸炎の主要な原因ウイルスです。
以前はその形態からサポウイルスとともに小型球形ウイルスと呼ばれていましたが2002年8月の国際ウイルス学会でノロウイルスと命名されました。ノロウイルスという名前は発見された地名である米国オハイオ州ノーウォーク(Norwalk)に由来しています。
ノロウイルスは感染した人の吐物や便から手などを介して感染したり、汚染された食品(特にカキなどの二枚貝)を食べることにより感染します。その後1日程度の潜伏期間を経て、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などの症状で発症します。多くの場合は数日以内に回復しますが、小さなお子さんやご高齢の方などは重症化することがあるため注意が必要です。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎は便の中のノロウイルスを検出するキットにより15分程度で診断することができますが、保険適用は3歳未満もしくは65歳以上の方などに限定されています。治療は安静と脱水予防のための水分補給が中心になります。おなかの動きを抑えるような下痢止め薬は症状を悪化させる可能性があるため使いません。
症状が完全に治まるまでは学校や職場に行くのは控えることが望ましいと思いますが、症状が治まってからもしばらくの間は便にはウイルスが排出されていることがあります。ノロウイルスに対してはアルコール消毒は効果が十分ではないため石鹸と流水による手洗いをしっかりと行うことが重要です。
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