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2015年1月8日

肺炎球菌感染症
平成26年10月1日から65歳以上の方を対象とした肺炎球菌ワクチンの定期接種が開始されました。肺炎球菌はのどや鼻の奥に存在する常在菌で、唾液などを通じて飛沫感染することにより肺炎、髄膜炎、菌血症、中耳炎といった病気を引き起こします。肺炎球菌には93種類の血清型があり、平成26年10月からの定期接種で使用されている「ニューモバックスNP」は、そのうちの23種類の血清型に効果があります。このワクチンの接種によって、日本に分布する肺炎球菌の約80%に対応することができるといわれています。ワクチンの効果は少なくとも5年間は持続するため、初回接種から5年以上経過したら再接種を考慮することになりますが、5年以内に再接種を行うと注射部位の痛みや腫れなどの副反応が強く出ることがあり注意が必要です。

一方、小児の肺炎球菌感染症に対するワクチンとしては「プレベナー13」が使用されています。このワクチンには特に重篤な感染症を引き起こすことの多い13種類の肺炎球菌の成分が含まれています。標準的な接種スケジュールでは生後2か月~6か月までに接種を開始し計4回接種することになっていますが、肺炎球菌による髄膜炎は約半数が0歳代でかかるといわれており、2か月齢になったらなるべく早く接種を開始することが重要です。