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2015年1月12日

過活動膀胱の治療薬
過活動膀胱とは「急に我慢ができないような尿意が起こる」病気で、尿の回数が増えたり我慢ができずに尿が漏れてしまうといった症状を伴います。過活動膀胱が疑われるときには過活動膀胱質問票(OABSS)というチェックシートを用いて重症度の評価を行います。尿意切迫感についての質問3の点数が2点以上あり、合計点数が3点以上であれば過活動膀胱の可能性があります。
過活動膀胱の治療には主に抗コリン薬とβ3作動薬という2種類のお薬を使います。抗コリン薬は副交感神経の働きを弱めることにより膀胱の異常な収縮を抑え、β3作動薬は交感神経の働きを強めることにより膀胱容量を増やします。

【抗コリン薬】

◇ベシケア:2.5mgと5mgの2種類があり通常は5mgを1日1回服用しますが、症状に合わせて2.5mg~10mgの間で用量を調節します。血中半減期が長い(お薬が効いている時間が長い)という特徴があります。

◇トビエース:?4mgと8mgの2種類があり通常は4mgを1日1回服用しますが、効果が不十分な場合は8mgに増量します。

◇ウリトス/ステーブラ:血中半減期の短いお薬で通常は0.1mg錠を1回1錠1日2回服用しますが、効果が不十分な場合は1回2錠1日2回まで増量します。ウリトスとステーブラは成分がまったく同じお薬です。

◇ネオキシテープ:過活動膀胱の治療薬としては唯一の貼付剤で1回1枚を24時間ごとに貼り替えます。貼る場所は下腹部、腰部、大腿部のいずれかで、皮膚の赤みやかゆみなどの症状を避けるために貼る場所を毎回変える必要があります。抗コリン薬によく見られる便秘や口内乾燥といった副作用が比較的少ないのも特徴の1つです。

【β3作動薬】

◇ベタニス:現在使用できるβ3作動薬はこのお薬のみで、膀胱の中に尿をためる蓄尿期の膀胱弛緩作用を強めることにより過活動膀胱の症状を改善します。25mgと50mgの2種類があり通常は50mgを1日1回服用しますが、症状に合わせて25mg~50mgの間で用量を調節します。抗コリン薬とは作用機序が異なるため便秘や口内乾燥といった副作用が少なく使いやすいお薬ですが、一部の抗不整脈薬との併用ができないため注意が必要です。